メキシコ|メキシコシティ|アメリカ大陸古代史が分かる「国立人類学博物館」

 マヤ文明やアステカ帝国。何とも不思議で魅力的なアメリカ大陸の古代文化。他の古代文明とは全く異なる宗教観や神話、建築物に文字。そして圧倒的に発展した天文学。そのすべてが勉強できる世界屈指の博物館がメキシコシティにある「国立人類学博物館」です。

地下鉄駅からチャプルテペック公園を抜けて国立人類学博物館へ

国立人類学博物館はチャプルテペック公園の北側に位置していて、私たちは地下鉄1号線のチャプルテペック駅(Chapultepec)から徒歩でゆっくり向かいます。(約20分位)駅を出るとすぐ西側にチャプルテペック公園が見えています。

カルサダ・デ・フベントゥ・エロイカ歩道橋。この歩道橋を超えると有名な祖国の祭壇(Al­tar a la Pa­tria)とチャプルテペック城(Chapultepec Castle)が見えてきます。この歩道橋にはメキシコ32州を象徴する32本の支柱があるそうです。

祖国の祭壇(Al­tar a la Pa­tria)、もしくは英雄少年たちの記念碑(Mo­nu­men­to a los Ni­ños Hé­roes)と呼ばれる記念碑で、米墨戦争で勇敢にたたかった兵隊さんを讃える碑です。このメキシコを旅行するまで知らなかったんですが、テキサス州はもともとメキシコの領地で、米墨戦争でアメリカがメキシコから奪った歴史があったんですね。

今回は訪問しませんでしたが、記念碑のすぐ上にはチャプルテペック城があります。この城はスペイン統治時代の総督別荘として作られ、帝政メキシコの皇帝邸宅として利用されたり、その後は大統領官邸として利用されるなど、近代メキシコの中心的存在で非常に重要な建物。現在は国立の歴史博物館として利用されています。

土曜日に訪問しましたが、たくさんの土産物屋さんや屋台が並んでいました。地元の人たちも顔にペイントしたりしてすごくにぎやか。お土産を買うのであればいろいろあって良さそうですよ。

チケットを買って国立人類学博物館に入場します

噴水の先が入口になっています。荷物検査でリュックの中をチェックされましたが、それほど時間もかからずに無事に通過。

チケット売り場です。博物館の営業時間は9:00~19:00。遅めの17:00頃に入場したのですが、待ち時間なしでチケットを購入することができました。

入場料は75ペソ。450円くらい。私たちは土曜日訪問でしたが、上の案内の通り日曜日はメキシコ国民、メキシコ在住外国人は入場料無料。すごく混むらしいとちまたの噂。

博物館は、この巨大な噴水をぐるっと囲むように繋がっています。私たちは左側から順番に見学して回りました。結構駆け足で見て回って2時間近く必要でしたよ。

北部の文化・西部の文化の部屋

まず最初は、メキシコの北部・西部の文化を紹介するゾーン。独特な土器です。この色使い、模様。そして何よりこのフォルム。なんか愛嬌がありますよね。

アクセサリーに骨を使ったり貝殻を使ったりするのは世界共通ですね。でも、中南米の古代文化と言えば、やはり骨なイメージも強いです。

古代の街再現です。このエリアの文明の特徴は「大河沿い」ではないということですよね。セノーテのような泉や池の近くに街がづくられているのが独特ですよね。

北部で見つかった洞窟壁画です。こんなに綺麗にはっきりと色が残っているのは珍しいですよね。

この頭蓋骨、かっこいいターバン。まるでジャック・スパロウのように見えませんか?絶対パイレーツオブカリビアンの製作陣はこの博物館でインスピレーションを得ているような・・・・。かっこいいし、カリブの海賊のイメージです。

マヤ文明の部屋

マヤの遺跡を再現した展示方法のマヤ文明コーナー。何といっても見どころは地下にあるパカル王の翡翠の仮面。見た瞬間に強烈に印象に残るその仮面は絶対に見逃せません。

ユカタン半島の付け根で発見されたパレンケの遺跡。マヤ遺跡の中で初めての未盗掘だった貴重な遺跡。7世紀に最盛期を迎えたと考えられているパレンケは、マヤ遺跡の典型として非常に研究が進んでいるそうです。このパレンケの遺跡の中で、この強烈なインパクトがある翡翠の仮面をつけたパカル王の遺体が発見され、マヤのピラミッドが王墓としての役割を果たしていたことが初めて判明したんだそうです。

当時、翡翠は黄金などを超える価値を持つ最高級の宝石だったそうです。この仮面を発見した時の感動はすごかっただろうなぁ。強烈なインパクトがあって、考古学的に巨大な変化をもたらす大発見。

パレンケの遺跡の中でこのような棺の中で発見されたんだそうです。棺の周りには9人の王の彫刻があるそうで、その棺の蓋の彫刻も精巧で見事。

南米の文明と言えばこれ!チャックモール。生贄の心臓をささげる台座です。チチェンイツァのピラミッドにあったチャックモールだそうです。

マヤ文明の部屋の外には、いくつか遺跡が再現されています。ぜひ外も歩いてみてください。

他の遺跡で発見された壁画がきれいに再現されていました。どうやってこんなに華やかな色を出したんでしょうね。

メキシコ湾岸の文化の部屋

アメリカ大陸初の文明と言われるメキシコ湾岸で栄えたオルメカ文明。その見どころはオルメカヘッドと呼ばれる巨石人頭像。35トンもの巨大な石像で、どういう人の顔なのかもまだ判明していません。その風貌から、オルメカ文明を造ったのはアフリカから来た黒人系なのでは?という説もある程。ただ、こんな日本人もいるような・・・って感じますし、顔だけではわかりませんよね。

意外と薄いのにもちょっとびっくり。このオルメカ文化はバスケットボールの原型となった球技が発明したそうで、このオルメカヘッドはヘルメットをかぶった選手という説もあるそうです。

こんな感じでジャングルの中で発見されたんだそうです。ビックリしたでしょうね。

ベラクルス州で発見された戦士の像。このなめらかな筋肉まで表現している技術はすごいですよね。

オルメカ文明の像、独特な頭の形をしていますよね。どうやら子供のころから板で挟んだりして、頭がい骨を長く変形させる文化があったらしい。なんとなく通天閣のビリケンさんに見えなくもない・・・。

オアハカの文化の部屋

オアハカ盆地を中心に1000年以上栄えたサポテカ文明が有名で、モンテ・アルバンやミトラ遺跡が有名。

このエリアのさまざまの文明の中で唯一金属の装飾品を創る文化を持っていたと考えられています。

このエリアで作られる金属製品は、メソアメリカ各地の文明で珍重され、巨大な流通網があったことが判明しています。

メヒカの部屋

メソアメリカ、中南米の文明の華でもあるアステカ文明のコーナー。ど真ん中にこの有名なアステカカレンダーが展示されています。この博物館最大の見どころと言っても過言ではありません。

メキシコシティの中心地ソカロで発見されたこの石板は、侵略してきたスペイン人に奪われないようにアステカ人が真っ先に埋めて隠したと言われているアステカ人にとってとても大切なものだったようです。

過去の世界の滅亡などとともに、地動説に基づいた365日の暦までが記されているそうです。このアステカカレンダーが作られたころ、まだヨーロッパでは天動説が信じられていたそうなので、このアステカ文明の天文学の進み具合が分かります。

アストランから旅だったアステカ人は、途中で神様からメヒカと名乗るように言われます。そのメヒカが住む場所というのがメキシコの語源。このアステカ人の文明が有名なアステカ文明であり、現在のメキシコシティです。

このアステカ文明が栄えていたころのメキシコシティはテノチティトランと呼ばれるテスココ湖に浮かぶ湖上都市だったそうです。こんな湖上の巨大都市に繋がる一本道・・・歩いてみたい。ものすごい景色ですよね。今はほとんど埋め立てられて湖面が残るのはソチミルコ地区(世界遺産)周辺だけになっています。島の真ん中に見えるピラミッドや神殿がテンプロ・マヨールやソカロ周辺ですね。

このテノチティトランを占領しに来たスペイン人を、アステカの人たちは大人気の神様「ケツアルコアトル」だと本気で信じて迎え入れたそうなんです。なんでも神話の中でケツアルコアトルは白い肌の人の姿をしていると言われてて、しかも奇跡的にケツアルコアトルが復活すると伝わっていた年度にスペイン人が現れたんだそうです。白人のコルテス達を見て「ケツアルコアトルさまだぁ!」ってなっちゃったんですね。

コルテスはきっとこの神話を知ってて、それを利用したんじゃないのかなぁ・・・と疑ってみたり。スペインはアステカ帝国を完全に征服した後、これらの神殿をすべて破壊し、埋めてしまい、さらには石材を再利用して教会(カテドラル)を造ったんだそうです。

世界一美しいと言われる鳥「ケツアール」の羽でできた冠。これはアステカ帝国の王様が侵略者コルテスに贈ったものなんだそうです。このメキシコ国立人類学博物館の物はレプリカだそうですが、なぜか本物はウィーンにあるそうです(るるぶ)

この上の写真はバスケットボールの原型ともいわれるメソアメリカで行われたスポーツのゴール。この石の輪っかにゴムのボールを当てたり、穴に通したりして競い合ったそうです。

これは当時のゴムボール。このボールを腰や肘などで打ってドリブルしたらしい。こんな堅そうなボールで球技を楽しんだりしていたんですね。宗教的な目的もあったそうですね。

トルテカの部屋

戦士の神殿の柱です。なんとなくトーテムポールにも似ているような戦士の模様が掘られた柱。メキシコ北部で栄えたトルメカ文明を紹介する部屋。

ここでもジャガー信仰はあったのでしょうか。キツネ?皮をかぶって口の中から人の顔が・・・・。トルテカ文明が栄えたトゥーラなどの都市は山間部にあるんですが、貝殻を使っていますね。

テオティワカンの部屋

メキシコシティに最も近く、謎に包まれた文明「テオティワカン文明」。これほど天文学が発展した文明でありながら、ほとんど文字が使われていなかったため、何も記録が残っていません。この一部破損した円形の石板は「太陽の円盤」と呼ばれ、太陽のピラミッドの前で発見されたんだそうです。

テオティワカン遺跡の中で3番目に大きなピラミッドの再現されたもの。非常に精巧な彫刻がされているのが、他のピラミッドと一線を画す面白いピラミッド。

金属技術がほとんど発展しなかったメソアメリカでは、スペインに占領されるまで石器が中心。細く、鋭く加工しやすい黒曜石は非常に重宝されていたそうです。メソアメリカの文明では車輪と鉄が発明されていません。だからこそかもしれない独特の発展が、他にない魅力がつまっているんだろうなぁ。

先古典期やアメリカの起源などの部屋

このマンモスを追いかけているあたりは、世界共通ですよね。メキシコあたりの原住民はもともと黄色人種がマンモスを追っかけてアメリカ大陸まで渡っていったのかなぁ。インディアンの皆さんもよく似てますしね。

土器を創るところまではどこの文明も近しいのですが、アルマジロを創るあたりがアメリカ大陸ならでは。でもこの艶やかで美しい精巧さはメソアメリカならではですね。

見学に2時間は必要

今回はガイドさん無しで、スペイン語の説明もほとんど読まずに、有名どころをしっかりと写真に収めながらグルっと見てまわって、2時間ピッタリくらい時間がかかりました。途中、ガイドさん付のツアーチームを何組か追い抜きました。ガイドさんの説明がつくともっと時間は必要だと思います。ただし、国立人類学博物館は価値ある遺産、財宝が集まる世界最高峰の博物館。じっくりゆっくり楽しんでください!

  • 博物館の情報
  • 営業時間:9:00~19:00
  • 定休日:月曜日
  • 必要時間:最低2時間は必要です
  • 最寄駅:地下鉄7号線アウディトリオ駅

Posted by tetsuchippy