インド|デリー|世界一高いミナレット「クトゥブ・ミナール」

デリー観光のハイライトの一つ。デリー郊外に位置する場所にある世界一高いミナレット(尖塔)がある「デリーのクトゥブ・ミナールとその建築物群」。1993年にユネスコの世界遺産に認定されています。

今回の旅行中に分かったのですが、クトゥブ・ミナールやフユマーン廟など、デリーの人気の世界遺産観光地では外国人観光客が優遇されていて、外国人専用のチケット窓口があります。チケット売り場の前は、待ち時間1時間はザラ・・・って感じの大行列ですが、いつも外国人専用窓口はガラガラで待ち時間ゼロ。

行列ができていても、まず窓口まで行くことをおススメ。真面目に待っていると損しますよ。ただ、値段はインド人の10倍位に設定されていて、たしか600ルピー(約900円)でした。

もちろん入場口の別々。入口のチェックも厳しいので、インド人専用入口は大渋滞。外国人専用レーンはガラガラで待ち時間ゼロ。申し訳ないほどに優遇してくれています。あざぁーっす!

敷地は非常に広大!ゆっくり見て回ると1時間程必要

 クトゥブ・ミナールのの敷地群は結構広くて、メインの尖塔クトゥブ・ミナールだけでなく、インド最古のモスク跡クワットゥル・イスラーム・マスジット、錆びない鉄柱アイロン・ピラー、未完成のアラーイーの塔など、たくさんの見所があります。

 インドの歴史にはそれほど詳しくないのですが、写真栄えするスポットが多いのでゆっくり見て回って所要時間1時間程でした。

未完成の巨大タワー「アラーイーの塔」

これはクトゥブ・ミナールより100年くらい新しい時代、ハルジー朝アラウッディーンが、クトゥブ・ミナールより高い尖塔を建てようと試み、途中で中断されたものなんだそうで、未完成のタワーの根元部分になります。周囲が25m、クトゥブミナールの14.3mの1.7倍もあるんですから、もし完成していたら軽く100mを超える巨大タワーが完成したはずなんだそうです。

ただ、現在残っている部分を見てみると、かなりいろんなサイズの石がまばらに入っていて、クトゥブ・ミナールのような緻密な建築には見えません。この作りの荒さを見ると未完成でよかったんじゃないかなぁ、失敗しそうと思っちゃいます。

アイバクの後継者イルトゥミシュの墓

 インドに初めて安定的なイスラム王朝を建てた奴隷王朝(1206年~1290年)の初代スルタン「アイバク」。世界史でも出てくるインドの英雄の一人です。そのアイバクの第一の側近と言われたのがイルトゥミッシュ。第三代スルタンとして、北インド支配を確立したとされています。

イルトゥミシュは、イスラム王朝のスルタンでしたが、インド人に多いヒンズー教を差別することが無かったとも言われ、裁判等で公平だったと大旅行記(イブン・バットゥータ)等の書物に記されているそうです。

 クトゥブ・ミナールはアイバクの時代に作り始め、イルトゥミシュの時代に完成したんだそうですよ。イルトゥミシュの廟には非常に細やかな彫刻がなされていて豪華でした。

インド最古のモスク「クワットゥル・イスラーム・マスジット」

北インドに進入した奴隷王朝は、イスラーム教。そこまでのインドはヒンドゥー教や仏教、ジャイナ教がが信奉されていたので、それらの寺院を破壊し、その石材を利用して作られたのが、インド最古のモスク「クワットゥル・イスラーム・マスジット(Quwwat-ul-Islam Masjid)」だ。

中の彫刻等は非常に繊細ですが、ヒンドゥー寺院の石材を転用したためで、かつては漆喰で固めて埋められていたそうですが、長い年月の中剥がれ落ち、再度姿を現しているんだそうです。

クトゥブ・ミナールは、このクワットゥル・イスラーム・マスジットの尖塔。これ以上近づくと、根元から先端までが写真に入りきりません。

完成した最も高い時代には100mを超える高さがあったそうですが、改修や地震による落下、落雷により、現在は72.5mの高さになっているそうです。

色んな意味でインド的なアイロン・ピラー(鉄柱)

また、モスクの敷地内には3~4世紀頃のグプタ朝時代に作られたと言われる鉄柱が建っています。アショーカ王の鉄柱とか、チャンドラグプタ2世の鉄柱、チャンドラヴァルマンの柱とも呼ばれたり、今でも謎が多い柱として色んな研究対象になっています。

現在は、研究により412年に作られたのではないかと言われているそうですが、そこから1600年以上も経過しているにもかかわらず、錆が鉄内部には全く進入していないんだそうです。普通、1600年も風雨にさらされていたら、錆びて朽ちてしまうらしい。

今でも、錆びない加工技術が時代に合わないオーパーツだ!とか、この鉄の地中の先には蛇の王ヴァースキ(Vasuki )が刺さっているんじゃないかと言われていて、その不思議な力にあやかりたい地元の方達が触りに来るんだそうです。(今は鉄柵で囲まれていて、直接触れなくなってます)

ただ、嘘か本当か、人が触ることによって付いた手アブラによって錆びつかなくなっているかもしれないとか・・・・。

世界一の高さの尖塔「クトゥブ・ミナール」

ヒンドゥー教やジャイナ教、仏教が中心だったインドに、イスラム教の力を示す目的で作られたものなので、その迫力たるやものすごい!

尖塔の高さは言うまでもなく、その模様も美しく、色も美しく、そして他を圧倒する迫力がすごい!

世界一の高さを売りにしてますが、世界一美しいミナレットじゃないかと思いました。

根本の大きさは17.5mと巨大。人の大きさと比べてもらうとその巨大さが分かるんじゃないでしょうか。もともとは中も見学できたそうですが、急な停電で真っ暗になり、パニック状態になった過去から、立ち入り禁止になっているそうです。

塔は見ての通り、微妙に色が違う赤系の石が組み合わされていて、曲線と直線の組み合わせ。彫刻も組み合わされていて、その芸術性の高さが分かります。

現在は5層構造になっているそうですが、昔は先端にドームまで有ったらしいですよ。

その他にもまだまだたくさんの見所があって、インドの人たちはゆっくりピクニックのように見学していました。写真をゆっくりとって廻って、所要時間がだいたい1時間位だったでしょうか。

もともとの期待値より大分高く楽しむことができたクトゥブ・ミナール。

仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教が中心だったインドに、初めてイスラム教が加わってきた時代の変化を示す遺跡。大変勉強になりました。