インド|アグラ|ムガル帝国の最盛期と悲哀の象徴!アグラ城

 ムガル帝国の最盛期の第三代皇帝アクバルが、デリーからアグラに遷都した際に築かれた城塞。赤砂岩で作られた全体の赤さから ラール・キラー(赤い城) とも呼ばれています。1983年には「アーグラ城塞」としてユネスコ世界遺産に認定されています。

※デリーにもラール・キラーとかレッド・フォートと呼ばれる城塞がありますが別物です。

 第三代皇帝アクバルから第五代皇帝シャー・ジャハーンまでの3代の居城として使われ、第六代皇帝アウラングゼーブが後を継ぐと、シャージャハーンをアグラ城に幽閉し、再びデリーに遷都します。

ムガル帝国最盛期の城塞

ヤムナー川の畔に作られ、城塞の周りには巨大で深い堀が掘られていたそうです。(今はご覧のとおりですが)。その昔はワニなどが飼育されていた恐ろしい堀だったそうです。

今はアグラ城のアマル・シン・ゲートが出入り口として開放されていて、赤砂岩でできた門と城壁が圧倒的に巨大・・・。ムガル帝国の強大さが分かります。

アクバリー門とよばれるアマル・シン・ゲートの二つ目の門には、カラフルな幾何学模様がびっちり描き込まれています。イスラム教の雰囲気が感じられますね。

ただ、ムガル帝国はイスラム教国ですが、このお城を作った第三代皇帝アクバル帝はヒンドゥー教とイスラム教の融和施策をとっていました。異教徒(イスラム教以外の宗教の人々)に対するジズヤ(人頭税)を廃止するなど、宗教に寛容な皇帝だったんだそうです。

さすが本気の城塞。この平な坂道は、敵の侵入する際には油が両壁上から撒かれ、火が放たれたそうです。さすがに火までつけられたら進入できないですよね。

アマル・シン・ゲートを超えると広々とした場所に出てきます。ふと周りを見ると巨大な城壁に囲まれています。巨大な城塞ですよね。今もこのお城はインド軍が管理しているそうで、城壁等にはインド軍の宿舎があるそうですよ。

アクバル帝の息子ジャハーンギールの名を持つ宮殿

 中々、世継ぎとなる男の子が生まれなかったアクバルは、アグラから40km西に位置する小さな村にいたイスラム教の聖者シェイク・サリーム・チシュティーを頼ります。この聖者の予言通りに3人の男の子に恵まれたアクバルはその小さな村に遷都します。その遷都先が世界遺産にもなっている「ファテープル・シークリー」。ただ、水不足と猛暑により、短期間の間に再びアグラに戻ってきます。

 ジャハーンギールはアクバル帝の念願の長男の名前なんです。

 そんなこともあったからでしょうか。第4代皇帝になるジャハーンギールの名前を付けた宮殿までつくったんですね。宮殿の前には、ジャハーンギールとアクバルが一緒に入ったと言われる巨大な石風呂まで展示されてました。 最終的にジャハーンギールとアクバルは意見の相違でぶつかり合ったみたいですが、子供の頃はよっぽど可愛がられていたんでしょうね。

左右のシンメトリーが美しい建物で、赤砂岩と白大理石の象嵌細工を用いた建築は、フユマーン廟とも似ています。

内部はイスラムとヒンドゥー様式を融合させているデザインになってます。

内部はイスラムとヒンドゥー様式を融合させているデザインになってます。 陽が差し込む感じが神々しかったのでパシャ。

ジャハーンギール宮殿の中は見事な彫刻がほどこされた中庭があります。

王妃や王様はこの上の窓から中庭を眺めながら劇やショーを見たりしていたそうです。

城塞奥に行くと、白い大理石でできた宮殿が出てきます。この白大理石のエリアは、第五代皇帝シャー・ジャハーンが作った場所なんだそうです。シャージャハーンは白亜のタージ・マハル廟を作った事でも有名な皇帝。きっと白大理石が好きなんですね。

皇帝の居室カース・マハール

この巨大な大理石の部屋が皇帝の居室。目の前には今は動いていない噴水があります。

ここからはヤムナー川やタージマハルを望むことができます。

シャー・ジャハーン帝が晩年を過ごした囚われの塔「ムサンマン・ブルジュ」

ムガル帝国の第五代皇帝シャー・ジャハーンは、城の中で年に1回開催されるミーナ・バザールでムムターズ・マハルと出会い見初め結婚します。実はこのムムターズ・マハルこそが、タージ・マハルに葬られた最愛の王妃となる女性。

このムサンマン・ブルジュは、王妃ムムターズ・マハルの為に作られた部屋でした。

シャー・ジャハーンは、ムムターズ・マハルの死後、国家財政を狂わせるほどの大金を使って、最愛の王妃の為にタージマハル廟を建築します。更には自分のために黒大理石の廟を建築を始めたところで、国の財政を心配した息子のアウラングゼーブに王位をはく奪され監禁されてしまいます。

 そのシャー・ジャハーンが監禁されたのも、ここ ムサンマン・ブルジュ。なので囚われの塔とも呼ばれています。愛妃の為に作った場所に監禁されるんだから悲しいですよね。監禁された7年間の間は、ここから出られることもなく愛妃が葬られたタージマハル廟を眺めつづけ、亡くなったそうです。

 無くなったシャー・ジャハーンは、タージマハルのムムターズ・マハルの隣に葬られます。ここら辺は人の優しさなんでしょうかね。

アグラ場内の白大理石が多く作られた部分は、シャー・ジャハーンが作った場所。その特徴が出ていて面白いですよね。

最後に、このアグラ城はを取り囲む3kmにも及ぶ巨大な城壁は、アウラングゼーブ帝によってつくられたんだそうですが、なぜかお猿さんがたくさん走り回ってました。

何となく、インドって動物に優しい国ですよね。アグラ城にもサルとかリスとかたくさんいてなんか幸せになります。

いかがですか?巨大なアグラ城(アーグラ城)。ムガル帝国の最盛期の建築物ですが、様々な物語や伝説が残る興味深いお城。訪問する前にしっかり事前勉強しておけば、より楽しめる場所だと思います。